妊娠高血圧症候群とは|症状・リスクと受診の目安
妊娠高血圧症候群とは何か、見逃したくない症状や危険なサイン、なりやすい人の特徴、そして急いで受診すべきタイミングまで、妊婦さんにわかりやすく解説します。
Mama Ai チーム
健診のときや友人から「妊娠高血圧症候群」という言葉を一度でも耳にすると、「これは何だろう、どれくらい危ないの?」と気になりますよね。まず大切なことをお伝えします。多くの妊娠は大きな合併症もなく経過しますし、毎回の健診で血圧を測ったり尿検査をしたりするのは、まさにこうした変化を早めに見つけるためにあります。この記事では、妊娠高血圧症候群とは何か、注意すべきサインの見分け方、そしてためらわずに動くべきタイミングを、落ち着いて整理していきます。
妊娠高血圧症候群とは|ふつうの血圧上昇との違い
妊娠高血圧症候群とは、妊娠中に血圧が高くなり、内臓(多くは腎臓や肝臓)のはたらきに障害のサインが現れる合併症です。ふつうは妊娠20週以降、つまり妊娠中期から後期にかけて発症し、ときにはお産のあとで初めて現れることもあります。「妊娠高血圧症候群とは何か」をひと言でいえば、高血圧と臓器へのダメージが組み合わさった状態で、医師による経過観察が必要なものです。
妊娠中の血圧はもともと少し変化します。妊娠前半ではやや下がり、終わりに近づくと元の値に戻っていくのがふつうで、これ自体は問題ありません。妊娠高血圧症候群と判断されるのは、もともと血圧が正常だった人で、血圧が140/90 mmHg以上に上がり(2回確認される)、さらに尿たんぱくなどの所見が加わったときです。ですから、早歩きや緊張のあとに一時的に血圧が上がっただけでは、それ自体が診断にはなりません。大切なのは全体像で、それを評価するのは医師です。
妊娠高血圧症候群の根っこには、胎盤や血管のできかた・はたらきの異常があります。これが血液の流れに影響し、腎臓・肝臓・脳・血液を固めるしくみにまで及ぶことがあります。だからこそ血圧と検査をていねいに見守るのです。こまめなチェックは、まだ症状が「静かな」早い段階で問題をつかむのに役立ちます。
妊娠高血圧症候群の症状|注意したいサイン
妊娠高血圧症候群のやっかいなところは、早い段階では自覚症状がほとんどないことです。高血圧や尿たんぱくは健診で初めて見つかることが多く、だからこそ定期的な受診が大切なのです。ただし、気をつけてほしいサイン、医師に連絡するきっかけになる症状もあります。妊娠中の「気になる体のサイン」を調べる方も多いので、妊娠高血圧症候群に当てはめて挙げておきます。
こんなときは医師に電話を
- 強い、あるいは治まらない頭痛で、いつもの方法では和らがないもの。
- 目の見え方の変化:かすみ、ちらつきや光が見える、黒い点、光に対する過敏さ。
- みぞおちや右のあばら骨の下(肝臓のあたり)の痛み。胸やけや胃の不調と取り違えられることもあります。
- 顔・目のまわり・手の急なむくみ。とくに短時間で出てきたとき。
- 急な体重増加。数日で1kg以上増えるような、水分がたまることによるもの。
- 息切れや、空気が足りない感じ。
- 尿の量が減る、排尿の回数が少なくなる。
- 妊娠後半に突然あらわれた吐き気やおう吐。
夕方になると足がむくむのは、妊婦さんによくあることで、たいていは心配いりません。注意したいのは、リストのほかのサインと一緒に出る顔や手の急なむくみのほうです。尿たんぱく(たんぱく尿)は自分では感じられず、検査で見つかるものなので、定期的な尿検査を欠かさないようにしましょう。

毎回の健診で血圧と尿検査をする理由
毎回の受診で血圧を測り尿検査をするのは、形式的なものではなく、妊娠高血圧症候群を早めに見つけるいちばんの方法です。妊娠中の高血圧、とくに体への負担が最大になる妊娠後期(3トリメスター)の血圧を気にする方は多いものです。これらのチェックが大切なのは次の理由からです。
- 血圧は心臓や血管のはたらきを映します。とても元気に感じていても、血圧の上昇が最初のサインになることがあります。
- 尿検査はたんぱくを見つけます。これは腎臓に負担がかかっているサインです。
- 血液検査は、必要に応じて肝臓・腎臓の状態や血小板の数を教えてくれます。
自宅に血圧計があれば、医師から血圧の記録をつけるよう勧められることもあります。数分休んだあと、座って落ち着いた状態で測り、結果を書き留めて受診時に見せましょう。一回ごとの数値に不安になるためではなく、経過を見守る便利な道具と考えてください。
妊娠高血圧症候群になりやすい人
妊娠高血圧症候群は誰にでも起こりえますが、なりやすさを高める要因がいくつかあります。これを知るのは心配するためではなく、医師と一緒に経過観察の計画や、必要なら予防を考えるためです。リスク要因には次のようなものがあります。
- 初めての妊娠;
- 妊娠前からの慢性的な高血圧;
- 糖尿病。妊娠中に発症する妊娠糖尿病も含みます;
- 多胎妊娠(双子・三つ子);
- 18歳未満、または35〜40歳以上の年齢;
- 過体重・肥満;
- 近い血縁者や過去の妊娠での妊娠高血圧症候群;
- 体外受精(IVF)による妊娠;
- 腎臓の病気や自己免疫の状態;
- 前回の妊娠から10年以上あいていること。
こうした要因が一つ二つあっても、必ず妊娠高血圧症候群になるわけではありません。あくまで、より注意して見守るきっかけです。妊娠の早い時期に、自分の状況を医師と話し合っておきましょう。
診断のしかたと妊娠中の管理
診断
診断は、いくつかの所見を合わせて医師が行います。2回の測定で血圧140/90 mmHg以上、尿たんぱく(たんぱく尿)、そして血液検査の結果(肝機能、腎機能、血小板数)です。高血圧がほかの臓器障害のサインと組み合わさっていれば、尿たんぱくがなくても妊娠高血圧症候群と診断されることもあります。赤ちゃんの様子をみるために、超音波検査、ドップラー(血流の評価)、ノンストレステスト(NST/胎児心拍モニター)を行うこともあります。
管理と治療
方針は、状態の重さと妊娠週数によって変わります。とりうる対応には次のようなものがあります。
- より頻繁な経過観察:血圧・検査・胎児の状態を定期的に確認します。入院して行うこともあります。
- 血圧を下げる薬。妊娠中でも安全なものを、医師だけが選んで処方します。
- 重い妊娠高血圧症候群のときは、産科でけいれんを防ぐ薬や、早めのお産に備えて赤ちゃんの肺を準備する薬を使うことがあります。
- 出産。知っておきたいのは、妊娠高血圧症候群を根本的に治す唯一の方法は、赤ちゃんと胎盤が出てくることだという点です。そのため重い経過では、母児にとっての利益とリスクをはかったうえで、予定より早いお産がすすめられることがあります。
お産の時期や方法は、いつも一人ひとりに合わせて決められます。軽い場合は、経過を見ながら満期に近い時期までお腹で育てられることも少なくありません。この先どう進むかを見通すには、お産の始まりを見分けるサインを知っておくと役立ちますし、時期の目安をつかむには妊娠週数とトリメスターの数え方の記事が便利です。
すぐに受診が必要なとき
予定の健診を待ってはいけないサインもあります。次のような症状が出たら、すぐに医師に電話するか救急(119)を呼んでください。
- 治まらない強い頭痛;
- 急な視力の悪化。目の前が暗くなる、光がちらつく、視野が欠ける;
- 右のあばら骨の下やみぞおちの強い痛み;
- はっきりした息切れや胸の痛み;
- けいれんや意識を失う。これは妊娠高血圧症候群のもっとも重い形である子癇(しかん)のサインで、緊急の対応が必要です;
- 顔や手の急で強いむくみと、体調の悪さが一緒に出たとき。
自信がなくても、念のため電話したほうが安心です。大切なサインを見逃すより、一度多く相談してもらうほうを医療者は望んでいます。これらのサインは、妊娠にともなうふつうの不調と取り違えてはいけません。ただ、前もって怖がりすぎる必要もありません。多くの妊婦さんはここまで至らずに経過します。
予防と、産後の妊娠高血圧症候群
リスクは下げられる?
完全に防ぐと保証することはできませんが、リスクの高い人では、いくつかのことが可能性を下げます。
- 低用量アスピリン。リスクの高い人には、ふつう妊娠中期から低用量のアスピリンの服用が勧められることがあります。これは医師だけが指示するもので、自己判断で始めないでください。
- 十分なカルシウムの摂取。とくに食事で不足しがちな場合に大切です。医師に相談しましょう。
- 定期的な経過観察。いちばん確実なのは、予定の健診・血圧測定・検査を欠かさないことです。
- 妊娠前と妊娠中を通して健康的な生活を保つこと。バランスのよい食事、無理のない運動、禁煙などです。
産後の妊娠高血圧症候群
見落とされがちですが大切な点があります。妊娠高血圧症候群は、お産のあと、ふつうは最初の数日、ときには産後およそ6週間のあいだに初めて現れたり、続いたりすることがあります。これを産後の妊娠高血圧症候群といいます。ですから、妊娠が順調だったとしても、出産後の数週間に出る強い頭痛、目の見え方の異常、あばらの下の痛み、はっきりしたむくみを軽く見ないでください。こうした症状があるときは、すぐに医師に連絡しましょう。
多くの女性は妊娠高血圧症候群から完全に回復します。ただ、一度かかると将来の心臓・血管の問題のリスクが少し高くなるため、産後も折にふれて血圧をチェックし、自分の健康について医師に相談しておくとよいでしょう。
覚えておきたいポイント
- 妊娠高血圧症候群とは、高血圧(140/90以上)と臓器への負担のサインをともなう妊娠の合併症で、多くは妊娠20週以降に起こります。
- 早い段階では症状がないこともあるため、毎回の健診での血圧測定と尿検査が大切です。
- 注意したい症状:強い頭痛、目の見え方の異常、右のあばら下の痛み、顔や手の急なむくみ、急な体重増加、息切れ。
- なりやすいのは、初めての妊娠、慢性高血圧、糖尿病、多胎、年齢、肥満、体外受精、過去の妊娠高血圧症候群がある人など。
- 根本的な治療は出産だけで、重い場合は予定より早いお産がすすめられることがあります。
- 妊娠高血圧症候群は産後にも起こりえます。産後6週間ごろまで体調に気をつけましょう。
- けいれん、意識消失、急な視力悪化、強い痛みはすぐに救急を呼ぶサインです。
この記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、個別の医師の診察に代わるものではありません。診断・治療や薬の服用に関する判断は、あなたの妊娠の状態をふまえて、かかりつけの医師と一緒に行ってください。
参考文献
AI を活用して作成し、Mama Ai チームが確認しました。 教育目的の情報であり、専門的な医療アドバイスの代替ではありません。
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