妊娠中の痔:原因と症状、安全な治し方
妊娠中の痔はなぜ起こるのか、注意したい症状、家庭で安全に不快感を和らげる方法を落ち着いて解説します。受診の目安もやさしくお伝えします。
Mama Ai チーム
おしりに違和感やかゆみ、腫れ、少量の出血に気づいても、どうか慌てないでください。妊娠中の痔はとてもよく見られるもので、さまざまな調査によると、多くの妊婦さんが経験するといわれています。とくに妊娠後期や、産後の最初の数週間に起こりやすいものです。つらい症状ではありますが、ほとんどの場合は赤ちゃんに危険はなく、やさしいセルフケアでしっかり和らげることができます。
この記事では、妊娠中になぜ痔ができるのか、外痔核と内痔核の見分け方、赤ちゃんへの影響はあるのか、家庭で安全に症状を和らげる方法、坐薬や軟膏についてよくいわれること、そして何より大切な「どんなときに受診すべきか」を、落ち着いてわかりやすく解説します。
痔とは?妊娠中に多い理由
痔とは、直腸や肛門のまわりの静脈が広がって腫れた状態(いわば、この部分の静脈瘤)です。だれにでもある血管で、ふだんは気になりませんが、圧力が高まって血液がうっ滞すると、大きくなったり炎症を起こしたり、出血したりすることがあります。妊娠中はこれを起こしやすい条件がいくつも重なるため、とても多くの方が経験します。
妊娠でリスクが高まる理由
- ホルモン。プロゲステロンが血管の壁をゆるめ(伸びやすくなります)、同時に腸の動きを遅くするため、便秘が起こりやすくなります。
- 大きくなる子宮。成長するにつれて骨盤内や下半身の静脈を圧迫し、血液の戻りをさまたげます。
- 体内の血液量の増加。妊娠中は循環する血液の量が大きく増え、静脈にかかる負担も大きくなります。同じような仕組みで、多くの方に足のむくみも起こります。
- 便秘といきみ。硬い便や「ふんばる」動作は、直腸の静脈にかかる圧力を一気に高めます。これはおそらく、自分で実際に対策できる一番大きな要因です。詳しくは妊娠中の便秘の記事で解説しています。
- 運動不足。長時間座ったり横になったりすること、とくに出産が近づくと、骨盤内の血のめぐりが悪くなります。
症状:外痔核と内痔核
痔には2つのタイプがあり、あらわれ方が少し異なります。
- 外痔核(がいじかく)は、肛門のまわりの外側にできるものです。多くは、やわらかいしこりや腫れとして感じられ、かゆみがあったり、とくに座ったときや排便時に痛んだりすることがあります。
- 内痔核(ないじかく)は、直腸の内側にできるものです。痛みは出にくい一方で、少量の出血が起こりやすく、トイレットペーパーや便に鮮やかな赤い血がつくことがあります。
妊婦さんがよく訴える症状は、肛門のかゆみ、違和感や圧迫感、座ったときや排便時の痛み、「しこり」のような感覚、ときに粘液や少量の出血などです。痔の出血はふつう鮮やかな赤色で、排便中やその直後にあらわれます。出血があるときは落ち着いて医師に相談しましょう。原因が心配のないものであることがほとんどですが、本当に痔によるものか、ほかの原因がないかを確かめておくことが大切です。
痔は赤ちゃんに危険?
ほとんどの方が最初に気にされる点なので、はっきりお伝えします。妊娠中の痔が赤ちゃんに危険を及ぼすことはなく、発育に影響することもありません。つらいのはママ自身であって、妊娠の経過をおびやかすものではありません。さらに、多くの方は産後の最初の数週間で、子宮による圧迫がなくなり腸の働きが整うにつれて、症状がぐっと軽くなったり、すっかり消えたりします。
ひとつだけ注意したいのが出血です。こわがる必要はありませんが、無視もしないでください。出血の量が多い、くり返す、血の色が黒っぽい、便が黒い——こうしたときは、ほかの原因を除外するために必ず医師に伝えましょう。

妊娠中の痔を家庭で安全に和らげる方法
うれしいことに、妊娠中の痔のケアは、ほとんどの場合シンプルで安全な家庭での工夫から始められます。これらは症状をやわらげると同時に、いちばんの原因である便秘といきみを取り除いてくれます。
食物繊維と水分をしっかり
やわらかく規則的な便通こそ、悪化を防ぐ一番の守りです。食物繊維の多い食品——野菜、果物(とくにプルーン、洋なし、りんご)、ベリー類、全粒穀物、オートミール、豆類、ナッツ——を少しずつ取り入れましょう。食物繊維はゆっくり増やし、同時に水分も多めにとってください。そうしないと逆効果になることがあります。バランスのよい食事については妊娠中の食事の記事でくわしく紹介しています。

ぬるめの座浴とやさしいケア
- ぬるめの座浴。あたたかい、または少しぬるめのお湯に1日数回、10〜15分ほどつかると、かゆみや腫れが落ち着きます。
- 冷たい湿布。清潔で冷たいガーゼや、布でくるんだ保冷剤を数分あてると、腫れをやわらげるのに役立ちます。
- やさしいケア。排便後は、湿らせたやわらかい紙でそっと押さえるようにふくか、ぬるま湯で洗い流し、こすらないようにします。香料つきの紙や刺激の強い石けんは、この部分には避けましょう。
本当に役立つ習慣
- いきまないこと、そして長くトイレに座り込まないこと——静脈への圧力を強めてしまいます。
- 便意を感じたらすぐにトイレへ。「あとで」と先のばしにすると、便が硬くなってしまいます。
- こまめに体を動かしましょう。ゆったりした散歩は、腸の働きと血のめぐりをよくします。
- 長時間続けて座ったり立ったりしないように。ときどき姿勢を変え、横向きに寝て休みましょう。
- 排便時に足台を使う(ひざを股関節より少し高くする)と、いきまずに出しやすくなります。
痔の坐薬・軟膏:妊娠中に使えるもの
かゆみ、痛み、腫れをやわらげる外用薬——坐薬、軟膏、クリーム——があります。ただし大切な原則として、妊娠中はどんな薬も、妊娠していることを伝えたうえで、医師や薬剤師に相談してから使ってください。この時期に使ってよいとされるものもあれば、そうでないものもあり、成分の多くは十分に研究されていないため、判断は一人ひとりの状況に合わせて、ふつうは短い期間で行われます。
ここではあえて薬の名前や用量は挙げません。妊娠中に自己判断で「処方」するのは避けたほうがよいからです。症状を医師に伝えれば、あなたの状況に安全なものを選んでくれますし、必要であれば肛門科の専門医への紹介もしてくれます。
予防:まずは便秘対策から
妊娠中の痔の予防は、便秘の予防とほぼ同じです——いわば同じコインの裏表です。悪化のリスクを下げるために:
- 毎日、食物繊維の多い食事と十分な水分を心がける;
- 自分に無理のないペースで体を動かす;
- 便意をがまんせず、いきまない;
- 便秘がちなときは、妊娠中に使える、おなかにやさしい便通の整え方を医師に相談しましょう——これについても妊娠中の便秘の記事で取り上げています。
産後の痔:どうなる?
痔は、産後にはじめてあらわれたり、悪化したりすることも少なくありません。出産時のいきみが骨盤の静脈に強い圧力をかけるためです。これもよくあることで、ふつうは一時的なものです。多くの場合、数週間かけて少しずつ小さくなっていきます。とくに、食物繊維・水分・運動・やさしいケア・ぬるめの座浴といった同じ対策を続けるとよいでしょう。産後も痔が治らない、痛む、出血するというときは、定期健診のときに医師に伝えてください。
受診したほうがよいとき
痔はほとんどの場合危険ではありませんが、先のばしにせず専門医に診てもらうべきサインもあります:
- 肛門からの多量の出血、またはくり返す出血;
- 黒っぽい血、黒い便、または排便と関係のない出血;
- 強く、だんだん増す痛み;
- 青みがかった、かたくてとても痛むしこり——血栓ができた痔核(血栓性外痔核)かもしれません;
- 飛び出して、押しても戻らないしこり;
- 炎症のサイン:発熱、腫れ、分泌物;
- 家庭でのケアを続けても症状が改善しない。
もうひとつ大切なルールがあります。肛門からの出血を、なんでも「ただの痔」と決めつけないこと。たしかにほとんどはそうですが、原因を最終的に確かめられるのは医師だけです。
まとめ
- 妊娠中の痔はとてもよく見られ、ふつうは赤ちゃんに危険のない状態です。
- 主な原因は、ホルモン、大きくなる子宮による圧迫、血液量の増加、そして何より便秘といきみです。
- 外痔核と内痔核があり、典型的な症状はかゆみ・違和感・痛み・少量の鮮やかな赤い出血です。
- 安全なケアは家庭から:食物繊維、水分、運動、やさしいケア、ぬるめの座浴、そしていきまない習慣。
- 坐薬や軟膏は医師に相談してから。自己判断で使わないこと。
- 産後は、症状がふつう少しずつ落ち着いていきます。
- 多量の出血、強い痛み、血栓ができた、または戻らないしこりは、受診のサインです。
この記事は一般的な情報の提供を目的としており、専門家による個別の診療に代わるものではありません。症状や薬の選択、治療については、必ずかかりつけの医師にご相談ください。
参考文献
AI を活用して作成し、Mama Ai チームが確認しました。 教育目的の情報であり、専門的な医療アドバイスの代替ではありません。
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